番外編:芸術の秋その一日「東京展(第43回)」へ

10月、東京は「秋」を感じる日がない・・・。

11月下旬から12月中旬くらいの気温だそうで、低体温症にでもなりそうだ。そこに冷たい雨が降る日が続く、かと思えば、9上旬くらいに逆戻りしたような気温の高い日が突然1日だけあったり・・・。

「狂ってるなぁ~」

と、胸裏呟く。

身体を良好な状態に保つのが難しくなっている。

 

美術展の招待状と案内のリフレットが届いた。

「第43回 東京展」。

作品を出展した知人からだった。

しばらくご無沙汰してしまっているのだけれど、招待状を届けてやろう・・・という対象に思ってもらえただけで、有難い気持ちになった。

 

13日(金)、正午過ぎ、手ぶらでと・・・したいところだがそうもいかず、いつもの荷物を背負って自宅を出る。電車を乗り継いでJR上野駅公園口に降り立ったのは午後2時近く。

どんよりとした灰色の雲ながら雨粒は小さく、ポツリ、ポツリ。傘は開かずに「東京都美術館」へと歩いた。

上野という場所に訪れたのが2年振りくらい。

博物館や美術館を廻るのも好きで一時期は2~3ヵ月に一度はそんなことをしていた頃もあったが、ここ数年は、すっかり忘れていた。

 

目的の展示会場へ。

「東京展」は初めて。

絵画(油絵、水彩画、他にも)、版画、イラストやコミックアート、絵本や雑貨デザイン、造形作品など・・・公募によって集めらた様々な美術作品が、ある程度分野別に4つの展示室に分けられてそこにあった。

 

ゆっくり、のんびりと廻った・・・フウではあったはず。

が、作品の前に立つと、作品によっては、息を思わず殺しながら緊張して眺めさせられる瞬間も少なくなかった。

そう、美術館での鑑賞は、展示内容に関わらず、内面を色々な方向へと揺さぶられるので、思いの外、エネンルギー量が必要なことを忘れていた。

おそらく入館して1時間以上が経過した頃、展示半ば辺りで、置いてあった椅子に腰掛けては瞼を閉じて休息を摂った。1分間ほどだけ。

その後は再び同じペースで、ゆっくりと展示作品を観て廻った。

 

途中、知人の作品に目を停めた。

人柄が滲み出ている・・・というのは、やはり、知人だからそう感じるのだろうか。懐かしい思いで、知人との想い出も手繰り寄せながら、更に「えこひいき」したい気分も加わって眺めた。

 

午後4時を過ぎた頃、美術館の外に出ると、雨足は少しだけ強くなっていた。

ふう~っと、ため息をついた。

すぐ後に、

「寒い~」

と、声に出したように思う、そして、傘を開いた。

 

さてさて、40分ほどで到着できるはずの都内のライヴ会場へと向かった(笑)。

ね、アートな、まさに「芸術の秋その一日」。

ただ・・・「秋」という部分だけは疑問符がつきそうだなぁ~(苦笑)。